- Q1.相続登記は必ずする必要があるのでしょうか?
A1.相続登記をしないまま放っておいても、法律上罰せられることはありません。ですが、長期間相続登記をしないで放置しておくと、様々な問題が起こります。
相続の対象となった不動産を売却したり、担保に入れたりする際には、先に相続登記が完了している必要があります。逆にいえば、相続登記が未了である場合には、その不動産は法律的に処分することができません。
お亡くなりになられた方(被相続人)の相続人がさらにお亡くなりになるなど、相続に相続が重なり相続人がどんどん増えて遺産分割協議自体が困難になることがあります。一度相続が起こってしまえば、その遺産分割協議にはすべての相続人の同意が必要です。相続人が何十人、というケースも珍しくありません。
遺産分割協議が整い、故人の不動産を全部取得したにもかかわらず、相続登記をしないうちに他の相続人が半分を自分名義に登記して、他人に売却してしまうこともあり得ます。このような場合に、不動産の全部を自分のものと主張することはできません。
- Q2.相続登記を依頼した場合、完了まではどのくらいかかりますか?
事案により異なりますので、一概にはお答えできません。
まず、戸籍等の必要書類の収集にある程度時間がかかります。被相続人が何度も転籍等をされている場合や、相続人が兄弟姉妹の場合等では戸籍等の数が多いため書類収集に結構時間がかかります。
また、遺産分割協議をする場合、協議書に各相続人の方に署名・押印(実印)をしていただくのに時間がかかります。
なお、登記自体は、申請から完了まで大体一週間から二週間位かかります。
- Q3.相続人になるのは誰ですか?また、各相続人の相続割合(法定相続分)はどのように決まりますか?
A.被相続人の親族の構成によりますが、大きく分けると次のようになります。
・配偶者と子がいる場合→配偶者(1/2)と子(1/2を子の人数で均分 ※ⅰ)
・配偶者と親がいるが子がいない場合→配偶者(2/3)と親(1/3を親の人数で均分)
・配偶者と兄弟姉妹がいるが子と親はいない場合→配偶者(3/4)と兄弟姉妹(1/4を兄弟姉妹の数で均分 ※ⅱ)
・配偶者しかいない場合→配偶者が全部相続
子しかいない場合
→子が全部相続(子の人数で均分 ※ⅰ)
兄弟姉妹しかいない場合
→兄弟姉妹が全部相続(兄弟姉妹の人数で均分 ※ⅱ)
- ※ⅰ 婚姻による子と婚姻外の子がいる場合、後者の法定相続分は前者の1/2になります。
なお、婚姻外の子で認知されていない者は、相続人にはなりません。 - ※ⅱ 父母の双方が同じ兄弟姉妹と父母の一方のみが同じ兄弟姉妹がいる場合、後者の法定相続分は前者の1/2になります。
なお、相続人となるべき子又は兄弟姉妹が先に亡くなってしまっている場合は、その子又は兄弟姉妹の子が代わりに相続人(代襲相続人)となります。
子の代襲相続人になるべき人も亡くなってしまっている場合は、更にその子が代襲相続人となります(再代襲)が、兄弟姉妹の代襲相続人になるべき人が亡くなっている場合は、その子が代襲相続人となることはありません。- ※ⅰ 婚姻による子と婚姻外の子がいる場合、後者の法定相続分は前者の1/2になります。
- Q4.相続は必ず法定相続分による割合でしなければならないのでしょうか?
- 相続人全員による遺産分割協議により、法定相続分とは異なる割合で相続することができます。むしろ実際上は遺産分割協議による相続の方が一般的です。
ただし、協議がうまく整わなかったときなどには、相続登記自体ができなくなりますので、そのような場合には家庭裁判所に調停や審判を求めることになります。
- Q5.夫が病気で亡くなりました。相続人は妻である私と10歳の娘です。娘はまだ小さいため、私が亡夫名義の自宅を相続しようと考えています。私の単独名義で自宅を相続登記することはできるのでしょうか?
- 遺産分割協議を経て、あなた名義に登記をすることは可能ですが、遺産分割協議をするときに問題が生じます。
未成年の子の親も相続人となる場合や、相続人に未成年の子が数人いる場合は、特別代理人を選任して遺産分割協議をする必要があります。
なぜなら、親が子を未成年者であることをいいように、自分に有利に協議を進めることがあるからです。
また、親が相続人とならない場合でも、数人の未成年の子が相続人となる場合に、親がその全員を代理して遺産分割協議をするとしても、同じことが言えます。
このような場合は、家庭裁判所に対し、未成年者のために特別代理人を選任することを請求し、特別代理人が未成年者に代わって遺産分割協議をする必要があります。
特別代理人には、通常、子の叔父や叔母などの親族が選任されます。






