1.建設業許可制度について
建設業を営む者は、建設業法に基づいて業種ごとに建設業の許可を受けなければなりません。
ただし、軽微な建設工事のみを請け負う場合は、必ずしも建設業許可を必要としません。
この軽微な工事とは、建設業法施行令で以下のように規定されています。
- 1件の工事の請負代金が500万円に満たない工事建築一式工事の場合
- ただし、建築一式工事については請負代金が1,500万円に満たない工事。または延べ面積が150平方メートル未満の木造住宅工事
2.許可の区分
- 知事許可と大臣許可
・1つの都道府県の区域内にのみ営業所を設けて営業する場合 ⇒ 都道府県知事許可
・2つ以上の都道府県に営業所を設けて営業する場合 ⇒ 国土交通大臣許可
- 一般建設業と特定建設業
・一般建設業許可 ⇒ 軽微な工事だけを行う場合を除いて、元請・下請を問わず建設業を営む者は取得する必要があります。
・特定建設業許可 ⇒ 発注者から直接請け負う1件の元請工事について、建築一式工事では4,500万円以上、その他の工事では3,000万円以上の工事を下請に発注する建設業者が取得する必要があります。
3.建設業の種類
建設業法上の許可は、2つの一式工事と26の専門工事からなっています。
- 土木工事業 (土木一式工事)
- 建築工事業 (建築一式工事)
- 大工工事業
- 左官工事業
- とび・土工工事業
- 石工事業
- 屋根工事業
- 電気工事業
- 管工事業
- タイル・れんが・ブロック工事業
- 鋼構造物工事業
- 鉄筋工事業
- 舗装工事業
- しゅんせつ工事業
- 板金工事業
- ガラス工事業
- 塗装工事業
- 防水工事業
- 内装仕上工事業
- 機械器具設置工事業
- 熱絶縁工事業
- 電気通信工事業
- 造園工事業
- さく井工事業
- 建具工事業
- 水道施設工事業
- 消防施設工事業
- 清掃施設工事業
4.許可が下りるまでの期間
申請の混み具合にもよりますが、申請後およそ1か月で許可がおります。
5.許可申請のための費用(新規申請の場合)
<<金額一覧は費用一覧をご覧ください。>>
大阪府の場合、知事許可の申請手数料は大阪府証紙で納付します。大臣許可は登録免許税・収入印紙です。
申請の取り下げや不許可処分になった場合は手数料は還付されません。
許可申請を行政書士にご依頼される場合、上記申請手数料に加えて、事務所報酬がかかります。
6.許可の要件(一般建設業の場合)
- 経営業務の管理責任者がいること
「経営業務の管理責任者」とは、営業取引上、対外的に責任を有する地位にある者で、建設業の経営業務について総合的に管理した経験を有し、その経験が許可を受けようとする工事業種で5年以上(他業種では7年以上)ある者のことを指します。
申請者が法人の場合は常勤の役員のうち1人が、個人の場合は本人(又は支配人登記をした者)が、下記のいずれかに該当することが必要となります。
・許可を受けようとする業種に関して、5年以上の経営経験を有すること。
・許可を受けようとする業種以外の業種に関して7年以上の経営経験を有すること。
・許可を受けようとする業種に関して、経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって、5年以上執行役員として当該業種の経営業務を総合的に管理した経験又は7年以上経営業務を補佐していた経験を有すること。
- 専任技術者がいること
「専任技術者」とは、その営業所に常勤して専らその業務に従事する者をいいます。営業所ごとに必ず1人の専任の技術者を置く必要があります。
専任の技術者とは、次のいずれかの要件を満たす技術者のことです。
・許可を受けようとする業種に関して、別に定める国家資格を有する者(国家資格には、資格取得後に実務経験を要するものがあります。)
・高等学校(又は大学等)で、許可を受けようとする業種に関連する学科を卒業して、5年(又は3年)以上の実務経験を有する者
・許可を受けようとする業種に関して、10年以上の実務経験を有する者
- 財産的基礎、金銭的信用があること
建設業許可申請時点において、以下のいずれかの要件を満たしていることが必要です。
≪財産的基礎≫
・許可申請直前の決算において、自己資本額(※)が500万円以上であること。
※総資産-総負債の額
≪金銭的信用≫
・申請人名義の金融機関の預金残高証明書,所有物件の評価証明書などで、500万円以上の資金調達能力を証明できること。
・許可申請直前の過去5年間許可を受けて継続して営業した実績を有すること。
- 単独の事務所を有すること
営業を行おうとする事務所が、申請者所有の建物であるか、申請者が借主で営業を認められた賃貸(又は使用貸借)物件であること。
- 欠格要件等
下記に該当する場合は、許可を受けることができません。
ア 申請書及び添付書類に、虚偽の記載や、重大な事実の記載漏れ等がある場合
イ 申請者や申請する法人の役員に、以下に該当する者がいる場合
成年被後見人、被保佐人、破産者で復権を得ない者
禁錮・罰金などの刑を受け、一定の期間を経過していない者
請負契約に関して不正又は不誠実な行為をする恐れが明らかな者
暴力団の構成員である者
7.許可の要件(特定建設業)
一般建設業に比べて 2.専任技術者と 3.財産的基礎について要件が厳しくなっています。
- 経営業務の管理責任者がいること
一般建設業と同じ。
- 専任技術者がいること
建設業を行うすべての営業所に、次のいずれかの要件を満たす専任の技術者を置くこと。
ア 指定7業種(土木・建築・電気・管・鋼構造物・舗装・造園の各工事業)については、施工管理技士などの1級資格者、又はこれに類する者
イ それ以外の業種については、1級の施工管理技師等又は、一般建設業の専任技術者しかなれない者のうち指導監督的実務経験(発注者から直接請け負い、その請負代金が4,500万円以上であるものに関して2年以上の工事実績)を有する者
- 財産的基礎があること
原則として許可申請時の直前の決算期における財務諸表において、次のすべてに該当すること。
ア 欠損の額が資本金の額の20%以内
イ 流動比率75%以上
ウ 資本金の額2,000万円以上
エ 自己資本の額4,000万円以上
- 単独の事務所を有すること
一般建設業と同じ。
- 欠格要件等
一般建設業と同じ。
8.申請書類および添付書類
建設業許可申請を行う場合、1.許可申請書と2.添付書類を提出する必要があります。
これらの書類の提出部数は都道府県により異なりますが、大阪府の場合2部作成する必要があります。
提出書類も都道府県により若干異なりますが、大阪府で一般建設業の新規申請を法人で行う場合、以下の書類を提出する必要があります。
- 許可申請書
- 別表
- 工事経歴書
- 直前3年の各事業年度における工事施工金額
- 使用人数
- 誓約書
- 許可申請者及び令第3条に規定する使用人(個人事業主、監査役を除く法人の役員全員及び支配人、支店長等)が、成年被後見人及び被保佐人に該当しない旨の登記事項証明書
- 許可申請者及び令第3条に規定する使用人(個人事業主、監査役を除く法人の役員全員及び支配人、支店長等)が、民法の一部を改正する法律(平成11年法律第149号)附則第3条第1項又は第2項の規定により成年被後見人又は被保佐人とみなされる者に該当せず、また、破産者で復権を得ないものに該当しない旨の市町村の長の証明書
- 経営業務の管理責任者証明書
- 専任技術者証明書
- 実務経験証明書
- 令第3条に規定する使用人の一覧表
- 国家資格者等・監理技術者一覧表
- 許可申請者(法人の役員)の略歴書
- 令第3条に規定する使用人の略歴書
- 株主(出資者)調書
- 法人の現行定款の写し
- 貸借対照表
- 損益計算書・完成工事原価報告書
- 株主資本等変動計算書
- 注記表
- 附属明細書
- 商業登記簿謄本
- 支配人登記簿謄本
- 営業の沿革
- 所属建設業団体
- 法人事業税納税証明書
- 主要取引金融機関名
- 営業所付近の案内図
- 営業所写真
※7.8につきましては平成20年4月1日以降の申請分から新たに必要となりました
9.建設業許可更新手続について
建設業許可の有効期間は5年ですので、引き続き建設業を営むためには更新手続きが必要となります。
更新申請は、当該許可の有効期限の3ケ月前から手続きを開始することができ、30日前までに手続きを完了する必要がありますので注意が必要です。
また更新手続きの前提として5年前の申請以降、商号、資本金、役員、営業所、経営業務の管理責任者、専任技術者等について変更の有無を確認し、変更があれば変更の内容について大阪府知事に変更届けを提出しているかどうかを確認する必要があります。
また、5年前の申請以降毎年の決算終了後4ケ月以内に決算内容等についての届出が義務付けられていますので、手続きが完了しているかを確認してください。
これらの前提手続きが必要なこともありますので早めの準備が大切です。